社員の兼業・副業を積極的に認めていこうという動きが政府からでてきている。
 政府は「働き方改革」として正社員の副業や兼業を後押しする。企業が就業規則を定める際に参考にする厚生労働省の「モデル就業規則」から副業・兼業禁止規定を年度内にもなくし「原則禁止」から「原則容認」に転換する。複数の企業に勤める場合の社会保険料や残業代などの指針もつくる。働く人の収入を増やし、新たな技能の習得も促す。
「平成 26 年度兼業・副業に係る取組み実態調査事業報告書」によると、帝国データバンクが調査した 4,513 社中、85.3%が兼業・副業を「不可」としている。
会社で禁止されていても内緒で副業をやっている人も多いだろうが、政府が兼業・副業を認める方向で旗を振れば以前のようにこそこそせずに、堂々と副業することが可能になる社員が増えるかもしれない。兼業・副業が認められると本業以外のスキルアップになり、収入もアップする。
記事によると、政府は「企業が就業規則を定める際に参考にする厚生労働省の「モデル就業規則」から副業・兼業禁止規定を年度内にもなくし「原則禁止」から「原則容認」に転換する。」ことで社員の兼業・副業を認めていく姿勢を打ち出すようだが、そもそもこの規定(モデル就業規定)はどういう性質のものなのか、以下で確認しておく。

常時10人以上の従業員を使用する使用者は、労働基準法の規定により、就業規則を作成し、所轄の労働基準監督署長に提出することとされている。
厚生労働省が示す「モデル就業規則」は、会社が就業規則を作成する際に参考にする標準的な就業規則である。

「モデル就業規則」において、社員の兼業・副業を禁止する規定は次のとおり定められている。
モデル規定
この規定に違反した場合の懲戒規定も定められている。
懲戒
この規定をどのように変えて「原則容認」とするのかに興味があるが、それ以前に、この規定は法律上何の拘束力もない、単なる参考に過ぎない。
法的拘束力を持たないモデル規定を変更するだけで兼業・副業を認める企業が増えるのか疑問がある。

【参考】
モデル就業規則について(厚生労働省)
「平成26年度兼業・副業に係る取組み実態調査事業」(中小企業庁)