副業ネタが続いたので、最後に税金面の取り扱いについてまとめてみる。
副業「原則ダメ」→「原則容認」へ?
副業で天下を取った小椋佳の凄さ

副業は税制面から考えれば次の三種類のケースが多いと思う
1:本業+掛け持ちでパートやバイトを行うケース
2:本業+単発的な仕事を行うケース(非継続事業)
3:本業+継続的な仕事を営むケース(継続事業)
同じ「副業」でも税金面では取扱いが違ってくるので注意が必要。

1は本業で足りないお金を、空いた時間でパート・アルバイトで稼ぐようなケース。この場合、副業で得た収入も本業と同じく基本的に「給与所得」となり、年額20万円を超えると本業で年末調整した給与と合わせて確定申告をおこなう必要がある。

2は雇用関係を結ばずに例えば翻訳とか本の執筆活動をして収入を得ているが、継続的に行っていないケース。この場合、基本的に雑所得となるので、かかった経費は収入から引けるが、給与所得等との損益通算ができない。これは次で述べる事業所得と比べるとデメリットとなる。

3は本業以外に継続的な営利を目的とする事業があるケース。何を持って事業というかについては、実は税法上明確に定義されていないので、なかなか判断が難しいところ。
過去の判例をみると、それが事業か否かは本業であるか副業であるかは問わないとされていて(名古屋高判昭43・2・28)、営利性・有償性の有無、継続性・反覆性の有無、自己の危険と計算における企画遂行性の有無・・等が検討されるべきであるとされた(東京地判昭48・7・18)点が参考になると思われる。つまり、副業であっても、継続・反復的に営まれる事業であり危険負担を自らが負っていれば、それは事業と言える可能性が高いということだ。だだし、副業の収入金額が連年少額であるにも関わらず、継続性だけをもって事業所得として申告し、以下で述べる申告上のメリットだけを享受しているような場合には、租税負担の回避と見なされ得るので注意が必要だ。

事業所得だと給与所得をはじめ、不動産所得、山林所得、譲渡所得と損益通算が可能となる。初期投資が多い副業の場合、事業所得での赤字を本業である給与所得と損益通算することが可能となるというメリットがある。
また、簿記3級程度の知識を持っているのであれば青色申告の適用を検討してみてもいい。この場合、青色申告特別控除として65万円の所得控除ができ、事業の赤字を3年繰越す事も可能だ。

一般的に、会社員は年末調整で税金の過不足清算が完了するケースが多いため、帳簿付け等の申告手続きは不得手だ。慣れていない人は、はじめはこれで苦労するが、副業程度のレベルであればコツさえ掴めば簡単にできる。

休日や余暇を利用した「副業」であっても、長期的かつ継続的事業として例えば翻訳やネット事業などに取り組めば、それは事業所得といえる可能性ある。
安心して雇用先に全てを捧げることができた良き時代はとうに去り、政府も副業を認める方向に舵を切り出した。
金銭面のリターンや税制上の恩恵だけでなくスキル的な面でリスクヘッジとしての副業は一考の余地があると思う。
私の知人は本業としてある出版社で働いていたが、副業で翻訳に携わっていた。しばらくして出版社が倒産してしまい、知人は解雇されてしまったものの、今では翻訳家として活躍している。副業でのリスクヘッジ機能の重要性はここにある。

知っているか知らないかで、損をしたり得をしたりするのが税制の現実。制度を理解し、ライフプランを考えて戦略的に副業の可能性を考えてみるのはアリだと思う。