税制
数年前は与党だった政党なので、また将来的に与党になる可能性は、ある。
民進党が衆議院に提出した税制改正法案が報道されていたので、民進党のホームページでその法律案をちょっと読んでみた。

法案では、2つの「給付付き税額控除」の導入を柱としている。

まず一つは、平成 31 年 10 月1日に実施が予定されている消費税率の引上げに伴い、消費税の「逆進性」緩和のため次の給付付き税額控除を設けるとしている。
読みにくい文案だが、そのまま引用する。
イ  一人当たりの飲食料品の購入に要する費用の額に係る消費税の負担額として家計統計(統計法第2条第4項に規定する基幹統計である家計統計をいう。)における食料に係る消費支出の額(酒類及び外食に係るものを除く。)、消費税の収入見込額等を勘案して算定した額の 10 分の2に相当する額を基礎として計算した額を所得税の額から控除し、かつ、当該控除をしてもなお控除しきれない額があるときは当該控除しきれない額に相当する金銭の給付を行うものとすること。

ロ  イの所得税の額から控除する額は、所得の額の逓増に応じて逓減するものとし、所得の額が一定の額を超える者については控除を行わないものとすること。
要約すると、所得に応じて、アルコールや外食を除く飲食料品等に係る消費税額の20%相当分を限度に税額控除方式で所得税を差し引き、引ききれない金額は現金給付を行うということのようだ。
しかしながら、具体的な税額控除額である「家計統計における食料に係る消費支出の額、消費税の収入見込額等を勘案して算定した額の 10 分の2に相当する額を基礎として計算した額」が何を意味するのかは不明である。

二つ目は、「就労の促進に資するため」次の給付金付き税額控除を設けるとしている。 分かりにくい文案だが、そのまま引用する。
イ 就労による所得の額を基礎として計算した額を所得税の額から控除し、かつ、当該控除をしてもなお控除しきれない額があるときは当該控除しきれない額に相当する金銭の給付を行うものとすること。

ロ イの所得税の額から控除する額は、所得の額が一定の額以下である者については就労による所得の額の逓増に応じて逓増するものとすること。
要約すると、所得が一定額以下の人を対象に、「就労による所得」が増えるほど税額控除方式で所得税を差し引き、引ききれない金額は現金給付を行うとのことのようだ。
そもそも「就労による所得」とは何を指すのだろうか。労働市場や就労形態が多様化し稼得形態も一様ではなくなってきた昨今、「就労」(これが何を意味するか不明だが)という一つの稼得形態だけを税制上優遇することが妥当なのか、個人的には、はなはだ疑問である。

また、個人所得税に関する改正事項として、次の4点が挙げられていた。
① 基礎控除について、税額控除とすること。
② 配偶者控除及び扶養控除を廃止し、これらに代わるものとして、世帯の構成、生計の事情等に応じた税額控除を導入すること。
③ 給与所得控除について、第二の1②の給付付き税額控除の導入と併せて抜本的な見直しを行うこと。
④ 金融所得課税に係る所得税並びに個人の道府県民税及び市町村民税を合わせた税率を 100 分の 25 に引き上げること。
ここで目につくのは④の金融所得課税の増税だ。

これを読んで多少すっきりした。
「就労」により得られる所得を尊いものとし、その他(例えば金融所得)の稼得形態は蔑む。そんな意思表示がこの税制改正案からは読み取れるからだ。

《参考》
民進党HP(2017/02/17)